雷鳥アリ
奴隷狩りの国の攻撃で 全ては変わった かつて繁栄していた国は 今や支配下にある 奴隷は新たな主人に仕え 次の犠牲者に 取って代わられるまで働き続ける それはこうして始まった… アリの世界の戦争は 毎日幾多の命を奪っている だがこの世界は 正攻法だけが唯一ではない 約50種のアリが極端な分業である 「奴隷制」を実践している その起源は不明だが ある種のアリはこれを完成させた その中でも最も強烈な サムライアリ属を紹介しよう サムライアリは一般に体長4~10ミリ 色は茶や黒で、鎌状の大顎をもつ 彼女らは奴隷制に特化したため 自らの世話をする能力も失った 掃除も巣作りも子供の世話も なにもしない 彼女らがするのは襲撃だけだ …
核のゴミ
弱い汚染の可能性がある これらは普通に廃棄しても安全だ 7%は中レベルの核廃棄物で 殆どは炉心近くに長時間置かれ 危険なほど汚染された物質だ ガラスかコンクリートに溶融処理されるか 安全に埋設され地下深くに保管される 核廃棄物の97%は 他産業の危険な副産物と殆ど変わらない 凄くも、恐ろしくもない 適切に処理可能だ 残りの3%が問題の始まりだ 高レベル核廃棄物は炉心から 取り出した使用済み燃料だ かつてはウランだったが 現在では様々な高放射性元素で出来ている おまけに非常に高温で 取り扱いは容易ではない これが宇宙に放り投げたいモノだ 毎年、世界で稼働する約440基の原子炉が 高レベル核廃棄物を 11,000トンも出す 1954年以来、危険な廃棄物が 40万トンも蓄積されている 殆どの国が未来に丸投げすることで …
火山大噴火
地球は半溶融の巨大な岩石球で 中心は鉄で 太陽表面並みに熱い 地球の誕生後に生じた大量の熱や 何兆トンもの放射性物質からの放射線は 地表以外に行き場がない 何千kmもの岩石流が このエネルギーを地表に運ぶ 立ちはだかるのは地殻だけだ 強固に見えて脆い障壁で 燃え盛る巨人をリンゴの皮で包むようなものだ この壁を突破して 全核兵器の数十倍の威力で噴火し 数世紀にわたる気候変動を 1年で生じさせ 大陸を有毒な灰とガスで覆う スーパーボルケーノだ とりうる規模は? そして、人類を滅亡させるだろうか? 火山 そびえたつ山々から溶岩ドームまで 火山には色々あるが 大きく2つに分けられる 一つ目は地球をパズルのように覆う プレートの境界線で生じる …
友達を作る
友人は人生をいいものにする 人生の困難に耐え、楽しむ土台になるのだ 友人は生きる意味と目的を与え 安心感、自尊心、幸福感の源になる 幸福度の指標として 「つながり」は最重要で 社会的な孤立は 多くの病気や寿命の短さにつながる でも誰を誘えばいいのかわからない 映画、お祝い、慰めの相手に 友人の少なさに孤独を感じるかも あなただけじゃない 断絶と孤独は蔓延している 多くが友人を欲するが 作り方がわからない 意外にも若い層が最も孤独で 彼らの人間関係はパンデミックで大打撃を受けた 社会的距離は教室、クラブ、寮での交流を阻んだ 大量の交友関係が 成立前に芽を摘まれた これは長期的な幸福の総量を大きく変える ここで朗報だ 手遅れじゃない、友人の候補はたくさんいる ここから、科学的情報と助言を織り交ぜていくが 個別の状況には対応できない …
文明の終わり
最盛期のローマ帝国は 世界人口の約30%を擁し 人類の進歩の頂点に立っていた 市民は中央暖房 コンクリート、二重ガラス 銀行、国際貿易 地位の向上などの恩恵を享受した ローマは世界初の100万人都市となり 技術、法律、経済の中心地となった 打倒不能の帝国は栄華を極める だがそれも終焉までの話だ ゆっくりと、そして突然に 最強の帝国は崩壊した 文明とは労働が専門化され 階級が存在し 制度によって支配された 複雑な社会を意味する 文明は統一的な言語と文化を持ち 作物や家畜を育てて大都市を養い 印象的なモニュメントも建設する 文明は規模による効率化や 膨大な知識の収集や 天然資源の利用を可能にする 文明がなければ ほとんどの人は生まれなかった …
狂犬病ウイルス
1970年代、ヨーロッパでは 鶏の頭部が何千と降ってきて キツネなど野生動物は混乱し そして喜んだ でも、なんで? 鶏の頭部は、最凶のウイルスへの ワクチンで満たされていた 1930年台から、ヨーロッパの野生動物に 狂犬病が流行しており 人類はこのウイルスを 根絶したかったのだ 古代ギリシャの狂気の精霊から ウイルスと命名され 最低でも4000年は人類を 狩り続けてきた それは動物を怒れる猛獣に 人間を水を怖がるゾンビに変えた だが の特徴は 奇妙で致命的な症状だけでなく 免疫系を見事に回避することにもある ウイルスは生物と無生物の境界に位置し わずかな遺伝的命令しか持たず 増殖には生きた細胞が必要だ 中でも …
人類の未来
人類の未来は不安定だ 気候変動や政治的分裂、生来の貪欲さにより 人類について楽観を持つことは難しく 人類の終わりが見えてきたかのようだ だが人類はいつの時代もそう感じてきた どの世代も自分は終末を生きる 特別な存在だと思い込んだが、普通に生き延びた これは問題だ 短絡的な思考に繋がり 我々や子孫のために良き世界を作る妨げとなる しかし実際、我々は人類史上極めて重要な時期に 生きているかもしれない それを理解するため、人類の時間軸に着目し こう問いかけてみよう 最後の人類はいつ生まれ それまで何人が誕生するだろうか この種の推定には多くの不確実性が伴うが どうか話半分で聞いてほしい 将来生まれる人類の感覚をつかむため 現在までの人の数をみていこう 現代人は約20万年前に誕生した 彼らは道具を作成し、物語を語り 抽象的な考えを持ち 計画を立て、集団で共同作業できる 優れた能力があった …
自分をセットアップする
あなたが普通の人なら 自分の理想と現実にギャップがあるだろう 為すべき小さなことと 達成したい大きなことがあるはずだ 定期的な運動から、健康的な食事、言語学習 小説の執筆、より多くの読書 あるいは趣味に取り組むこと reddit の代わりにね でも、目標達成には別人にならねばと 思うことがある 一貫性があり、努力家で 自制心と意志の力を持つ誰かに 「そんな人になろう」と邁進し いい手ごたえかも しばらくは 気づけば、元の生活に戻っている 結局、いつも失敗な気がする 失敗を重ねるたび 自分へのイライラや悩みが強くなる もし成功者による過激な情報発信を信じているなら 「成功しないのは単に意欲不足で自己責任」 と思えてくる でも実際 変わることは困難だ …
宇宙での移動
周りを見よう、今どこにいる? 君が占めている場所はどこだろう? きっと部屋の中の、ある街の、大陸上の、惑星の 宇宙を巡る星の数ほどある銀河のどこかだろう でも…それってどこなんだろう? 馬鹿げた質問と思うかもしれないが 絶対的な位置という概念は人間の想像にすぎない 要するに宇宙とは大きな袋のようなもので もし星やブラックホールとかを全部取り除いたら 何もない空間だけが残るだろう 空っぽの空間では位置という概念は 意味をなさない 空っぽの空間は均一であり どこも同じだ 我々が占める空間は 足元の舞台とは違うものなのだ 空間に印をつけたり 時空をホチキス留めしたりなんてできない モノがなければ位置もない 我々は他の何かとの関係があってのみ そこにいると位置づけられる つまり当たり前だと思う上や下という考えも 実は相対的なものだ よし、また宇宙をいっぱいにして 自分が今どこにいるのか探ってみよう …
気候変動の傾向
我が家が燃えている 急速な気候変動が世界を脅かしている 排出の削減は温暖化の抑止には不十分そうで 生態系が崩壊する臨界点も近そうだし 人類の文明も危うい 科学者、活動家、多数の若者が 行動を促すものの ほとんどの政治家は 意味ある活動に取り組まず 化石燃料産業は依然として 変化を強く拒んでいる 人類は短期的・個人的な利益への欲望と執着を 克服できない 保身のためだ 多くの人は 未来が厳しく絶望的にみえる 特に若者は不安で憂鬱だ 想像するのは未来の展望ではなく そもそも「未来があるのか」や 「こんな世界に子供を産むべきか」だ 今は破滅と絶望の時代であり 諦めることだけが賢明な行動に見える だが、それは真実ではない よし!まずは最も恐ろしい内容から 【終末を回避する】 …
古代文明
知的生命体の文明について考えるとき 広大な宇宙や遠い惑星に 目を向けがちだ だが、驚くほど広大なもう一つの次元には ほとんど考えが及んでいない 時間だ 過去数億年にわたり 地球に別の文明が存在していたのでは? 土着の、技術を持つ種が台頭し そして滅んだのでは? その種と、それらの遺物が 私たちの足元に埋まっているのでは? この疑問に科学はどう答えるだろう? そして、私たちに何を示唆するだろう? 地球上の生命は 40億年前から存在し ほとんどの期間は単細胞生物として過ごしたが 5.4億年前のカンブリア爆発で動物の時代が訪れた 土着の知的生命体にとって 巨大な猶予が存在する どこを探せば見つかるか そして何を見ることになるのか? 残念ながら、参照できる文明はたった一つで 人類自身のものだ 解剖学的にみて現生人類の出現は …
ムーンフォール
今回はとても科学的で重要な 昔からの問題に回答しよう 「月が地球に衝突したらどうなるの」 これはあなたが思うより面白く 奇妙な内容だ 基本から始めよう なぜ月は地球に向かってきていないのか 地球の重力は 月を含めた全てを引き付けているが なぜか浮いたままで 逆方向の力に吊るされているかのようだ だが重力に対抗する外力は存在せず 代わりに「軌道」と呼ばれる横の動きによって 高度を維持しているのだ 軌道は日常的に目にするもので ボールを投げればごく小さな軌道を描く ボールと月の唯一の違いは ボールが最終的に地面にぶつかるということだ この違いは基本的に速度によるものだ 十分な速度で投球できれば 世界を一周して戻ってくるだろう 空気摩擦での減速がなければ 永遠に軌道を描き続る 月がやっていることだ 地球の周りを横向きに落下し …
フレンドリーなエイリアン
宇宙は巨大で、数十億の居住可能な惑星もあり 生命が存在する可能性に満ち満ちていそうだ 光速の0.1%で星間を移動できるような 高度な文明が存在した場合 およそ1億年で 私たちの銀河を植民地化できるだろう 天の川が135億年存続しているのだから さほど長期間でもない だから理論上、宇宙文明は銀河の巨大な領域に 急速に展開できるはずだ だが、その姿は見えず 何も聞こえてこない 宇宙は空っぽで 他者は存在しないように見える これがフェルミのパラドックスで 他の動画で詳しく説明している 空っぽに見える宇宙を前に 人類はジレンマに直面する 本当に天の川銀河には自分たちだけなのか? 宇宙に呼びかけ 誰かが見ていないか知りたがる だがそれが最後の行動になるかもしれない 宇宙は空っぽでないかもしれないからだ 宇宙は文明に満たされているが 互いに身を隠しているのかも …
単純科学
複雑なことを説明するために 「過度の単純化」という 小さな嘘を交えつつ始めるという考えで 概念を把握するのに有用だ 例えば「地球は惑星という兄弟と一緒に 公転する球体だ」と習った でも地球は球体じゃないし、惑星間でサイズが全然違うし 距離も全然近くない 過度に単純化して始めることで 理解の枠組みや基礎がつくられ それを土台にニュアンスや複雑さを 積み重ねられるのだ あなたは一歩一歩 複雑なテーマの核心に迫っていく 科学コミュニケーションでは「子どもへの嘘」を ある程度交えないと、科学教育になってしまう あらゆる分野を単純化せずに習得したいなら 何年もかけて猛勉強する必要がある 科学の進歩をまとめ、可能な限り多くの人を 教育していくことに大きな関心を持っている 事実に基づいた科学的な世界観が普及すれば 全員に利益があるからだ 「科学とは何か、どう機能するか」を 詳細に扱う予定もあるが 「宇宙についての理解を進め、整理し、予測し検証する営み」 …