雷鳥アリ
奴隷狩りの国の攻撃で 全ては変わった かつて繁栄していた国は 今や支配下にある 奴隷は新たな主人に仕え 次の犠牲者に 取って代わられるまで働き続ける それはこうして始まった… アリの世界の戦争は 毎日幾多の命を奪っている だがこの世界は 正攻法だけが唯一ではない 約50種のアリが極端な分業である 「奴隷制」を実践している その起源は不明だが ある種のアリはこれを完成させた その中でも最も強烈な サムライアリ属を紹介しよう サムライアリは一般に体長4~10ミリ 色は茶や黒で、鎌状の大顎をもつ 彼女らは奴隷制に特化したため 自らの世話をする能力も失った 掃除も巣作りも子供の世話も なにもしない 彼女らがするのは襲撃だけだ …
狂犬病ウイルス
1970年代、ヨーロッパでは 鶏の頭部が何千と降ってきて キツネなど野生動物は混乱し そして喜んだ でも、なんで? 鶏の頭部は、最凶のウイルスへの ワクチンで満たされていた 1930年台から、ヨーロッパの野生動物に 狂犬病が流行しており 人類はこのウイルスを 根絶したかったのだ 古代ギリシャの狂気の精霊から ウイルスと命名され 最低でも4000年は人類を 狩り続けてきた それは動物を怒れる猛獣に 人間を水を怖がるゾンビに変えた だが の特徴は 奇妙で致命的な症状だけでなく 免疫系を見事に回避することにもある ウイルスは生物と無生物の境界に位置し わずかな遺伝的命令しか持たず 増殖には生きた細胞が必要だ 中でも …
免疫
あなたは人ではなく惑星だ 約40兆の細胞からできており これが実に大量で 細胞を人間サイズにするならエベレスト20個分だ ウジャウジャいる隣人にとって あなたはもはや生態系で 資源、温かみ、空間が豊富にある 家族を作るための完璧な移住先だ 歓迎すべき来客もあるが ほとんどはお断りだ 免疫系はこの惑星の守護者であり 絶え間ない侵略の危機からの 防衛を使命とする部隊だ 残念ながら、この小さな外敵には 大きなアドバンテージがある 何兆もの細胞を持つ自分 その複製をつくる労力を考えよう まず自分を可愛いと感じる誰かと出会い デートして ギクシャクして 複雑なダンスを成功させ 2人の細胞を合体させる必要がある そしてこの細胞が何度も何度も増殖し 人間として世に出るまで何カ月も待つ必要がある そうして手に入れた小さな複製も …
恐竜
過去とは広大で不可思議な領域で ビッグバンから現在に至るまで 瞬間ごとに拡大している 過去は全ての由来であり 現在を理解するカギとなる 過去に地球を歩き回った驚異的な生命は 何億種という多様さで 私たちの想像力では正当に評価できない 残念ながら、過去の秘密は厳重に守られている 過去への知見は多くあるが 未解明の事項のほうがはるかに多く しかも、未解明と気づきすらしていない 「未知の未知」は、さらに多いかもしれない 生命の神秘について 現在、約150万種の真核生物が 確認されているが 実際には1000万種にも上るかもしれない また年間15000もの新種が リストに追加されているが 地球上の生命の大部分は未発見なのだ これが現状だ 過去の長い年月に、この惑星に出現した種は 推定40億種にものぼる しかし、人類が最初に話すよりずっと前に その99%以上が絶滅してしまった …
最大のウイルス
身の回りには隠れた小宇宙があり 地球の真の支配者たちが無慈悲な戦争をしている アメーバ、原生生物、細菌、古細菌、菌などの微生物が 資源と居場所の争奪戦を繰り広げ それらを「ウイルス」という 奇妙な脅威が攻撃する 生物ですらない、地球上で最小、最多で 最も致命的な存在が 一日に何兆も殺戮する 資源自体には目もくれず 宿主だけをつけねらうのだ さらに、巨大ウイルスの発見で 生物と無生物の境界は曖昧となった それは他のウイルスに狙われてもいるのだ ウイルスは細胞や細菌よりもはるかに小さく 微量の遺伝物質とタンパク質をもつ殻にすぎない 代謝もせず、自分で動くこともできず 意思も野心もない あてもなく漂い 宿主との遭遇を期待しているだけだ ウイルスはあまりに単純で 生物に含めるべきかも不明だ 一部の研究者は「生きている」と論じる 感染状態の細胞を「ヴィロセル」という 複合生物だと考える研究者もおり …
免疫系
人間の免疫システムは 脳に次いで複雑な生物学的システムだが その仕組みを知ることはあまりない 免疫自体を知らない人もいる 免疫系は何百もの小さな臓器と 2つの大きな臓器からなり 全身に張り巡らされた 独自の輸送系をもっている 毎日、何千億もの細胞が作られ 軍隊のように組織されている 兵士、隊長、諜報員、重火器 そして狂気の自爆テロリスト 免疫系は抽象的な存在ではなく 自分自身のことなのだ あなたを消費しようとする何十億もの微生物や 自身のガン細胞から、生物学的メカニズムは防衛する 免疫系はあまりにも多岐にわたり 一つの動画には収まらないので シリーズ化して多面的にみていこう 今回は、人体が侵略を受け、あなたの第一防衛ラインが 生死をかけて戦う際に何が起きるのかについて 何の変哲もない日 突如、世界が爆発し 小惑星が空を切り裂いた 無数のエイリアンが侵入し …
クジラほどの大きさの細菌
入って、出て 入って、出て 生きているなら、何かをしているものだ 今この時、あなたの細胞はグルコースを 酸素と共に燃焼させエネルギーを生み出し あなたの命を保ち、貴重な瞬間に備えている 酸素を得るため、呼吸をしている 呼吸とは、次の難問への答えだ 「体外にある、細胞の生存に必要な物質を どうやって取り込むのか」 あらゆる生物がこの難問に出会い その解決策は驚くほど多様で 生命の最も重要な調整因子に対応していた サイズだ 他の動画で説明したように、サイズが違えば 宇宙の物理法則がもたらす帰結も異なる 気温、微小重力、表面張力などの単純なものも 致命的になりうる あなたのサイズ次第だ 生物の生存には様々な物質が必要だ どうにかして体外から体内へ 運ばなくてはならない これは原始生物にとっては大問題で あらゆる活動にはエネルギーが必要だからだ そして、数十億年の進化を経て獲得できた …
不気味なアリの組織
熱帯雨林の奥深くには、 美しく致命的な達人たちによって形作られた浮遊王国がある 彼らはアリの王国における一種のハイエルフ つまり、城、都市や国家を創造する 才能ある建築家たちである しかし、彼らも獰猛で領土を拡大する戦士であり 彼らの王国も生存のために 決して終わることなき戦争に捕らわれている 「オエコフィラ ハキリアリ」 オエコフィラ ハキリアリは 長い脚で歩き、細い体を持ち かわいらしく見える大きな目をもっている だが、彼らには強力な下顎と酸を飛ばす能力があり 殺害がとても得意である それについては後ほど掘り下げよう 彼らのコロニーは通常2から3の労働者階級を持ち 劇的にサイズを変える 大きなもの、小さいもの そして時にはとても小さいものもいる 場所や種類によって、彼らは茶色から エメラルドグリーンに体の色を変える 彼らのかわいらしい見た目よりも ハキリアリが特別であるのは …
なぜあなたはまだ生きていますか?
今あなたは、生と死の間のはざまにいる あなたは感じないだろうが 体内ではとてつもない量の活動が行われている 活動が止まることはない あなたはエスカレータを転がり下ちているばねのようなものだ 落下は、細胞の自己複製のプロセスを表し、 エスカレータは、あなたを動かしている物理法則を表している 生きるということは、常に動いているが、どこにもたどり着かないばねのようなものだ エスカレータの上についたら、それ以上転がり落ちることはできない つまり、あなたは死んでしまう 不気味なことに、宇宙はあなたをエスカレータの上に到着させようとする どうやってそれを回避して、あなたは生きているのでしょうか? 字幕作成者:満留隼人 すべての生き物は細胞からできている 細胞は静かな宇宙の一部であり、 自身を宇宙から切り離して、独自の活動をしている 宇宙との分離が崩れると 細胞は死に、静かな宇宙と合体する 不幸なことに、 宇宙は細胞に独自の活動をしてほしくない 宇宙は活発な活動が嫌いで、できるだけ静かな状態になろうとする この法則を、エントロピーと言い、 宇宙の根本的なルールだ それは複雑で、直感的に理解できないので 別の動画で紹介しよう …
癌性腫瘍における癌
ガンは気味が悪く、不思議な存在だ ガンの治療に向けて理解を深めていくなかで 私たちは未解決の生物学的パラドックスを発見した 大型動物は癌に対して免疫があるようだが これは理解できないことに思える 大きい生き物のほうが、ガンの発生率は高いはずだ 自分自身のほぼ完全なコピーを作る これらの複雑な化学反応経路を"回路"と呼んでいる これらは生化学的なネットワークの上にネットワークが 互いに絡まりあい、積み重なっている これを個人の脳内で理解することは難しいが 完璧に機能している …そうでなくなるまでは 何年にもわたり、数千のネットワークで 何十億兆もの反応が起こっている 問題は「エラーが生じるか否か」ではなく 「いつエラーが生じるか」だ 小さなエラーが積み重なっていき やがて巨大な機械を崩壊させる このような手に負えない状況を防ぐため 細胞には自殺のスイッチがある しかし、自殺スイッチも盤石ではない 失敗した場合、細胞はガン細胞となりうる そのほとんどは免疫系によって迅速に排除される しかし、これも確率論にすぎない …
ミルクについての論争の的になる意見
ここ10年ほどで、ミルクはちょっとした論争の的になってきた 栄養豊富で、健康な骨に欠かせない食品だという人もいれば ガンの要因となり早死を招くという人もいる さて、正しいのはどちらで 結局のところ、我々は何故ミルクを飲んでいるのだろう ミルクは生後まもない哺乳類にとっての主食だ 消化器が未熟で小さいうちは ミルクは栄養満点で、身体を活性化し成長を促す ミルクは脂質、ビタミン、ミネラル、そして乳糖(ラクトース)を豊富に含んでいる さらに、生後しばらくは抗体とタンパク質も含まれ 病気の感染から守り、免疫系を制御してくれる だがミルクを作る母親の負担は大きく やがて人類は母乳をやめて 両親と同じ食生活へと移行する この流れが何千年も続いてきた 11000年前になり 我々の祖先は初の農耕社会に定着した まもなく、彼らは初期の乳用家畜を飼いならした ヤギ、ヒツジ、ウシだ 彼らは無駄に豊富だった草を食べることができ 栄養満点で美味しい食品に変えてくれた これは生存戦略上大きかった 特に厳しい時期に ミルクを飲める集団は進化上有利に立ち 自然選択を経て …
アリ戦争
世界の至る所で アリたちは戦い続けている 武器は自分たちの体 自然から与えられた 硬い外骨格・毒針・強い顎などだ その中にはこの小さく 目立たないアリもいる だがこのアリは史上最大のコロニーを形成していて そのコロニーは大陸間を超え 何百万もの被害を及ぼす戦争を繰り広げている さあ、この一見ありえそうにない 戦士について学んでみよう の名を アルゼンチンアリ このお話は南アフリカにあるパラナ川周辺の氾濫原から始まる ここは何十種ものアリたちがせめぎ合う アリの巨大都市だ その中にはヒアリ 軍隊アリ そして それほど強そうには見えないアルゼンチンアリがいる たった2−3ミリほどの体長と 非力な顎から考えると 手強い競争相手の中で生き延びているのは 驚くべきである …